環境再生型農業で広がるパーム油の持続可能性

ソリダリダード・ジャパンは、ソリダリダードネットワーク・アジアのテオ・チェンハイ氏(初代RSPO事務局長)による論文を和訳しました。本論文では、アブラヤシ栽培におけるリジェネラティブ農業(環境再生型農業、略して再生農業)の役割を整理しています。

リジェネラティブ農業とは?

リジェネラティブ農業は、土壌の健全性、土壌と水の関係、生物多様性、家畜との統合に重点を置いた農業手法です。環境への負荷を最小限に抑えながら、自然の回復力を高めることを目的としています。

RSPOのBMP(Best Management Practice)との関係

RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)が定める持続可能な生産方法「BMP(ベスト・マネジメント・プラクティス)」には、リジェネラティブ農業と共通する要素が多く含まれています。そのため、リジェネラティブ農業とBMPは対立する概念ではなく、むしろ補完し合うものと考えられます。

持続可能なパーム油生産のさらなる可能性

これまで、パーム油の持続可能な生産は認証制度を通じて進展してきました。しかし、リジェネラティブ農業を導入することで、さらに環境負荷を減らし、持続可能性を高める可能性があります。

環境再生型の農業を取り入れることで、パーム油産業がより環境に優しく、持続可能な未来へと向かう道が開かれるかもしれません。

Regenerative Agriculture by Teo Cheng Hai _JA

ソリダリダードの支援先農家(インドネシア西カリマンタン州シンタン県)。 アブラヤシが苗から成長するまでの3-4年は換金作物(写真は西瓜)を栽培している。