【「パーム油バロメーター2025」公開】

2025年5月7日、Solidaridadは最新の報告書「Palm Oil Barometer 2025」を発表し、その公開を記念したローンチイベントを開催しました。

本報告書では、グローバルなパーム油市場の背後にある「見えにくい現実」に光を当て、サステナブルな調達の次なるステップとして「Procurement for Prosperity(繁栄のための調達)」を提案しています。

ローンチイベントでは、Solidaridadマレーシアのカントリーマネージャー、Law Chu Chien氏が現地の課題について報告しました。

主なポイントは以下の通りです:
・国際価格の変動により、小規模生産者は貧困線以下の収入に陥るリスクがある
・肥料や農薬などの農業インプットの高騰が収益を圧迫
・気候変動により農地が冠水し、一部ではアブラヤシの生産が困難に
・こうした課題を約9割の農家が自覚しているものの、十分な支援は届いていない

EUDR(EU森林破壊防止規則)が求める厳格なトレイサビリティ要件についても懸念が示されました。複雑なサプライチェーンにおいて、地理的情報の提出などは小規模生産者にとって非現実的であり、排除のリスクを伴います。

登壇者の一人、SD Guthrie社のMark Wong氏(ダウンストリーム・サステナビリティ責任者)は、自社が小規模生産者のRSPO認証取得を支援した事例を紹介し、企業による伴走型の支援の重要性を強調しました。
一方で、近年求められるHCV地域の保全、SBTiの準拠、トレイサビリティの厳格化といった要件については、「これらが農民や私たちにとって本当に何を意味するのか、自問している」という率直なコメントもあり、制度と現場のギャップに対する課題意識が共有されました。

報告書とイベントの詳細はコチラから
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