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ソリダリダード・ジャパン設立2周年を迎えて

 

 皆様のお陰で、ソリダリダード・ジャパンは2022813日に設立2周年を迎えることができました。ソリダリダード・ジャパンは世界の途上国に展開するソリダリダード・ネッワークの一員です。私たちは設立以来、ウェビナーや勉強会を通じて、ソリダリダードの取り組みや途上国の小規模農家が直面している課題、農産品のサプライチェーンの現状、連帯経済の可能性などをお伝えしてきました

 サプライチェーンが地球規模で張り巡らされている現状では、生産者と消費者の間には様々なアクターが存在し、消費者が生産者について考える機会はほとんどありません。しかし、私たちが消費している食品のほとんどは、途上国の生産者と切っても切れないつながりをもっています。チョコレートやコーヒーが途上国からやってくるのは明らかですが、原材料の一部を途上国の農家から調達してきている商品も少なくありません。例えば、多くの食品に使われているパーム油は、ほとんどマレーシアとインドネシアから調達されています。砂糖は国内でも生産できますが、それをはるかに上回る量が輸入されています。もし、これらの原材料を生産する農園で環境問題や人権課題が発生しているのであれば、日本の企業や消費者にもこうした状況改善のための努力は求められます。

 そうした努力の一環として、ソリダリダード・ネットワークは現在「リジェネラティブ農業」に注目しています。リジェネラティブ農業は、有機農業と循環農業の両側面をもつ農法で、その実践にあたっては①土壌、②生物、③資源の管理と有効活用を柱としています。土壌の健全性を回復させると同時に、水資源や肥料などを効果的に管理・使用することによって、環境への負担を減らしながら生産性の向上をめざしているのです。

 近年、パタゴニアやユニリーバ、ペプシコなどの多国籍企業は、自社のサプライチェーン上の農家にリジェネラティブ農業を導入するための投資を行うと発表していますが、日本企業もこうした動きが波及してくるかもしれません。

 そこで、ソリダリダード・ジャパンでは今後、リジェネラティブ農業に関心をもつ日本の企業様と提携しながら途上国の小規模農家への支援を行う可能性を模索していきたいと考えています。共通目標は農産品セクターのサステナビリティを高めることですが、企業様にとってこれは単なる寄付(CSR)ではなく、自社のサプライチェーンマネジメントの一環であり、ブランディング戦略にも寄与するものとなるでしょう。

 ソリダリダード・ジャパンは引きつづき、ウェビナー、勉強会などの活動を続けていきますが、個別の企業様とのご相談にも積極的に対応していきたいと考えています。御関心のある方はどうぞお気軽にお問い合わせ下さい。

 今後ともソリダリダード・ジャパンの活動へのご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

一般社団法人ソリダリダード・ジャパン事務局長

楊 殿閣(やなぎ でんか)